内地で3月3日は桃の節句、ひな祭りですよね。
ひな人形を飾り、女の子の健やかな成長と健康を願う日ですが、ここ沖縄の行事ごとは旧暦で行われ、旧暦の3月3日は浜下り(はまおり/はまうり)という伝統行事が行われる日です!
沖縄バージョンのひな祭りが浜下りなのです。
浜下りをミャークフツ(宮古方言)では、サニツと呼びます。

2020年の浜下りはいつ?
2020年の浜下りは、3月26日(木)です。
今日は沖縄の行事、「浜下り」についてご紹介致します。
※ちなみは、2021年は4月14日(水)、2022年は4月3日(日)と、旧暦なのでその年によって違います。
浜下り(はまおり/はまうり)とは?
浜下りの旧暦3月3日は、一年で一番干潮の大潮の日です。
そのため今では潮干狩りをする日だ思っている移住者の方も多いようですが、確かに家族で潮干狩りをする光景をよく見かけますもんね。ですが本来は、女性が浜に下り、潮で身を清め穢れを払う日とされております。
浜下りの由来は?
浜下りの由来となった昔からの言い伝えがあります。それは…、
昔むかし、ある村に一人の美しい娘がおりました。村の若い男たちは代わる代わるその娘に言い寄るのですが、娘は一向に応えることはありません。
年頃の娘を案じた両親が娘に尋ねたところ、実は娘には夜な夜な会いに来る美男がいたのでした。
しかし、いつも娘が夢うつつの時に来る男の正体がわからず、両親は娘に、その男が帰る時、「着物の裾に細く長い糸を刺しておきなさい」と言いました。
翌日、両親はその糸を辿っていくと、遠い山の麓にある洞窟に辿り着きました。そして中を覗いてみると・・・、何とそこには、とぐろを巻いたアマカター(大蛇)がいたのです!!
驚いて家に帰った両親が娘にその事実を告げると、娘はすでにアカマターの子を身籠っていると言うのです。
そこで両親は村のユタに相談に行き、ユタは「3月3日の大潮の日、娘を海に連れていき、白砂を踏み、潮水につかり身を清めなさい」と告げるのです。
そうして娘は、3月3日、ユタの言うように浜へ下り、潮水に身を清めていたら、娘から7匹のアカマターの子どもが海へ流れていったのです。
※昔話なので、諸説あり。
浜下りはなにをするの?
昔はヒヌカンと仏壇にお供えをし、その後女・子供だけで海へ行き、親は子供の額に3回潮水をつけ、これまでの健康を感謝し、最後に手足を海につけて穢れを落とし、これからの健やかなる成長を祈ったそうです。
現代では、伝統行事も薄れ、家族で潮干狩りを楽しむ日と時代は変化しておりますが、せっかく海へ行かれたならば、子供たちに昔話を聞かせながら、白砂を踏み、日ごろの感謝と健康祈願をされてはいかがでしょうか。
サンガツグァシー(3月菓子)とは?
この桃の節句に、沖縄の方々が食べるお菓子のことを、サンガツグァシー(3月菓子)と呼びます。※昔は方言でアギゴースとも呼んでいたようです。
ナイチャーからすると形が違うサーターアンダギーのように見えますが、作り方が違うので食べた食感が全然違います!
形はフィナンシェのようで、味はサーターアンダギーよりサクサクした感じ。隣のおばぁが作るサンガツグァシーは本当に美味しくって、いくつでも食べれちゃう♡